


空き家を相続したものの、今すぐ使う予定がない理由から、そのままにしている方も少なくありません。空き家を放置しても、初期のうちは問題が出ないケースがほとんどです。
しかし、建物の老朽化が進んで近隣へ悪影響を及ぼすようになると、所有者としての責任を問われかねません。
長期間にわたって空き家を放置した場合、防犯や景観の悪化だけでなく、重大な法的リスクにつながる恐れもあります。
空き家を放置するリスクとデメリットをまとめました。
空き家放置の伴うリスクは、大きく分けて以下の5種類です。
家は人が住まなくなると、一気に傷みが早くなると言われています。
換気不足による湿気や雨漏り、害虫・害獣の発生などが代表例です。近隣に住んでいて定期的に通える場合と、遠方で完全な放置状態になってしまう場合とでは、リスクの大きさが変わってきます。
管理されていない空き家は近隣住民に不安を与えるため、適切な配慮が欠かせません。
空き家のまま建物を維持する場合、近隣住民への配慮が極めて重要になります。
放置された空き家は、まず近隣住民から自治体へ相談が入るケースが大半です。そこから行政を通じて所有者へ連絡が届き、最終的には法的な問題へ発展します。
隣地への雑草や庭木の越境、害虫・害獣の発生、建材の飛散、景観の悪化といった実害は、苦情の原因になりやすい要因です。
所有者が遠方に住んでいる場合は現地の状況を把握しづらく、知らないうちに深刻なトラブルに発展しているケースも珍しくありません。
建物の傷み具合や近隣住民からの相談によっては、自治体から改善や管理を求められます。
自治体から助言や指導を受けた場合は、すぐに内容を確認して早急に対応を検討してください。
放置期間が長くなるほど、修繕や片付けに必要な費用と手間は増える傾向にあります。
基本的にまずは行政からの指導が入り、段階を踏んで進むため、唐突に法的責任を追及されるケースは少ないです。

空き家の放置で生じる法的リスクは、大きく2つに分かれます。近隣住民から損害賠償を請求される「民事上のリスク」と、行政から特定空き家に認定されて固定資産税が増額する「行政上のリスク」です。
台風などで建材が飛散し、近隣の住宅や通行人に損害を与えた場合は、損害賠償を求められる可能性があります。
「雑草や庭木が少しはみ出しているだけだから」「害虫がでているくらいなら平気だろう」と安易に考えるのは危険です。
万が一、法的措置へ発展した場合は、弁護士への依頼や裁判所への出頭などで多大な時間と労力を費やすことになります。
特定空き家とは、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、市区町村から認定を受ける状態を指します。「そのまま放置すれば倒壊等の危険がある、または著しく衛生上有害・景観を損なっている」と判断された空き家が対象です。
認定されると固定資産税が大幅に増額される恐れがあり、自治体からの命令に従わなかった場合、50万円以下の過料が科されるルールです。
特定空き家への認定は、行政からの連絡や指導、勧告などを経て行われます。そのため、早い段階で適切に対処すれば認定リスクは回避可能です。
もし状態が改善されない場合、自治体が強制的に建物を解体・撤去し、その費用を所有者へ請求する「行政代執行」という制度もあります。行政から連絡が来た段階で、速やかに誠意を持って対応しましょう。

空き家を全く使わずに放置していても、毎年の固定資産税はかかり続けます。
さらに、空き家は放置期間が長くなるほど建物の価値が低下するため、売却や土地活用を視野に入れているなら早めの決断が賢明です。
建物の老朽化が進んだり庭木が荒れ果てたりすると、将来的な解体費用が高くなる原因にもなります。
また、空き家は火災リスクが高いとみなされるため、一般的な火災保険への加入を断られるケースが少なくありません。
空き家を対象にしたプランや商品もありますが、保険料が割高になる点も覚えておきましょう。
従来の契約をそのまま放置していた場合、万が一の火災時に「契約違反」とみなされ、保険金が支払われないリスクもあります。
空き家は不法侵入や放火の標的になりやすいため、適切な保険への加入や見直しが必要です。
このように法的問題以外のリスクも多いため、建物を再利用する予定がないのであれば、早めに解体や売却などの方向性を決めて行動を起こしましょう。
定期的に人が出入りして管理できる体制を整えるか、それが難しい場合は早期の処分を検討することがリスクを最小限に抑えるやり方です。